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その時だけは威嚇せずに


数日ほど、実家に帰っていた。


俺の家にはモモコという老犬がいる。もうヨボヨボのお婆ちゃん。

16年前、中学生になった弟が拾ってきたんだけど、当時、俺は四央工に進学して寮暮らしだったからモモコと暮らしたことは一度もない。高校を卒業してからも実家で暮らすことがなかった俺は、年に一度帰るか帰らないか、その程度でしかモモコと会う事がなかったのに、ちゃんと俺が大西家の家族の一員だって事を認識していた。

他の人が家に来た時は吠えたり、甘えたりもするらしいんだけど、俺への甘え方は他の人と違ったみたいで、両親も弟も、モモコの俺への接し方に驚いていた。ワンワンとは吠えずクィ~ンクィ~ンと縋りよってくる感じで尾っぽをいつもと違うように振る。朝起きたら俺の寝ている布団の中で寝ている時もあった。

犬の16歳は人間の80歳にあたるという。だから避けられない事も色々出てくる。





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これは去年の11月のモモコ。
すでに写真を撮った弟を威嚇している。


まず、モモコの場合、もう歩くのがやっとだ。

フローリングの上だと踏ん張りがきかなくて滑ってしまうので歩く事も立っている事も出来ない。だから実家のフローリング部分はモモコが通る道筋だけ玄関用マットが縦長に何枚も敷いてあった、線路のように。

モモコはアレルギーを持っている。

手足が直ぐに痒くなるらしく、自分で噛みながら掻いてしまい、手足は地肌がむき出しになっていて身体にしか毛がない。アトピーのような感じになっていて、掻き過ぎたせいか数箇所、出血もしていた。

それだけでも痛々しくて可哀想なのに、一番辛かったのは、もう俺のことを忘れてしまっているのだ。俺は仕方がない、だって年に一度帰るかどうかだから。

でも親父の事も兄も自分を拾った弟でさへ忘れてしまい、近寄ると威嚇する。

母の事だけはちゃんと覚えているらしく、モモコを抱っこ出来るのは母だけで他が抱っこすると噛み付く。モモっと呼びながら近寄ると歯をむき出しにして唸る。

一日の殆どを布団の中で過ごすモモコ。獣医からは、もうそんなに長くはないと言われているそうだ。

ペットって家族の一員だから、遠くはなれて暮らす俺も、心の準備をしておかないといけないのかな、そんな風に思いながらモモコに餌を与えた。そのままでも食べるんだけど、スプーンで口まで運んであげる。その時だけは威嚇せずに餌を食べてくれた。

身の周りから老いを感じると、どうしてこんなにも切なくなるのだろう。

あと、どのくらい生きられるのか、神様にだって解らない事だけど、残った余生も家族にいっぱい甘えて暮らしてほしい。

みんな、モモコが大好きだから。





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