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そう思うことも生きる為になるんじゃないですか。

『兄です、弟が亡くなりました。連絡を下さい』

2月5日の深夜に届いたメールだ。
慌てて電話をすると、初めて話すお兄さんは、ある人、
つまり私のこれからの人生で色濃く存在するはずだった人の声や喋り方にそっくりだった。

これは本人の悪戯かと思った、そういう人だったから。



でも、その人は1月31日の朝、寒空の下、自宅近くの公園で突然息を引き取り、もう会えなくなっていた。

その人と出会ったのは、前回上演した2011年10月の公演だった。
終演後、私に声を掛けて下さり、それから頻繁に飲むようになった。

私より17歳も年上で音楽業界の第一線で活躍された人だった。
ジャンルは違っても世に認められた人と友達のように接する事が出来るのは嬉しかった。
私の芝居の話、生い立ち、今の心持、将来のビジョン、3月公演の作品の話、色々な話を聞いてくれた。

そしてご自身の音楽の話、映画、酒、女、辛かった日々、復活の意気込み、作品の感想など色々な話しをしてくれた。

今回の公演も楽しみに待っていてくれるはずだったのに、
その人は50歳という若さで天に還ってしまった。

たった3カ月の付き合い。

然し、3カ月で1年分くらいは酒を飲んで10年分くらいの話をした。
いつの間にか、ずっとずっと前から語り合っている兄のような存在になっていた。

最後に話したのは1月29日の50歳を迎える誕生日だった。
私は3月公演の作品執筆で部屋に缶詰め状態になっていたので電話をした。


『お誕生日、おめでとうございます』

『ありがとう』

『なんか、元気ないですね?』

『最近、体調が悪いんだ』

『執筆が終わったら飲みましょうよ』

『ああ、楽しみに待ってるよ』


それが最後の会話だった。

どうして人は死ぬんだろう?
どうして人が死ぬと、こんなにも哀しんだろう?
どうして死んじゃったんだよ?
今、ずっとそんな事ばかりを考える日々だ。

生きることは素晴らしい、そして楽しいし辛い。
時には醜くもあったりする。

そして、ありきたりな言葉だけど命は尊い、本当に。



その人が、ある日、こんなメールを送ってきた。

『俺は何の為に生きているのだろう、とか思っちゃって泣けてきた』

私は気の利いた言葉が浮かばなくて困惑した。

『そう思うことも生きる為になるんじゃないですか』

と、そう返信するのが精一杯だった。
その後の返信は、決まって飲みに行こうだった。



死んじゃったら、もう飲めないじゃないですか?
死んじゃったら生きる意味を探す事も出来ないじゃないですか?
死んじゃったらダメじゃないですか?

死を身近に感じると生を強く想う。
そして私も、いつか死んでしまうのだと当たり前のことを考える。

もし、生きる意味の中に、この哀しさも含まれるのであれば、私はそういうことを書き続けなければいけないのかと思った。

勿論、哀しいだけじゃない。
その分だけ笑顔になれる時間もあるはずだ。

その人と飲んで語り合う時間は本当に楽しかった。
だから、哀しいのか。

3月の公演、劇場のどこかに、その人が来てくれると信じて、私は今を生きたい。

そのくらいしか、出来ないから。




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コメント

  • 2012/02/06 (Mon) 21:37

    書き込みを読んで涙が止まりません。その方も短い期間でも大西さんと語り合えて幸せだったんじゃないでしょうか。

  • 2012/02/19 (Sun) 13:11
    はじめまして

    寺田が上京するまで一緒にバンドをやっていた者です。東京在住の福岡時代からの友人から至急連絡が欲しいとメールが届いたのが2月1日午後2時頃でした。直感で寺田に何かあってのでは?と思い直ぐに電話をしたところ直感は当てっていました。ご家族の意向で家族だけの葬儀となりましたので寺田が眠っている姿に誰一人さようならを言えないままでした。元バンドメンバーと一部の友人だけで申し訳ないのですが寺田のお兄ちゃんから「落ち着いたら呼ぶから」と言われていますのでそのときに1月31日に何があったのかを聞かされるでしょう。そして寺田に向こうで再会する約束をしてきます。根岸君はじめ、東京で関わった方々の方にお会いすることは出来ませんでしたが彼と彼が残したものをどうか忘れないでいてください。お互いに彼の友人であったことを時々思い出して頂ければ幸いです。facebookに僕に連絡をくれた友人が皆様へのメッセージを載せていますので読んで頂きたいと思います。長文おつきあいいただきありがとうございました。

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