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宝者

千秋楽を無事に迎え、沢山の方々に観て頂き、
俺は、今回の作品を書いて良かったのだと、改めて実感した。

ご来場下さいました皆様、
本当にありがとうございました。







第一稿を、顔合わせの1月末までに書き上げ、稽古を見ながら第二稿が3月11日の二日前に書き上がった。

それが最終稿になった訳だが、執筆時に何度も自分の限界を感じた。沢山の人が死んでいるのに、今も尚、問題は解決されていないのに、そればかりか、新しい問題ばかりが増えてゆくのに、自分はそのことを題材に、しかも演劇で人に観せるということが、どういう事なのか・・・

そんな事ばかりを考えていると、執筆は進まないし、怖かったし、眠れなかったし、自分に苛々したし、勿論、文才の無さにも悲観的になったし、どこかに逃げたい気持ちが大きくなってゆく日々だった。

最終稿を脱稿する4時間くらい前、多分、深夜1時くらいだったかな?もう書けないと思って部屋の絨毯の上にうつ伏せになって寝転がっていた。足なんかをバタバタさせて子供みたいにぐずっていた。

その時に思い返したのが、演劇というのを忘れて【自分に出来る事って何だろう?】という気持ちだった。眠ってしまおうと思っていたが、またパソコンの前に座り、そこから一気に書き上げる事が出来た。

最終稿を俳優達に配り、彼らの反応を見るのが怖かった。台詞を言葉にしてゆく作業も怖かった。初日前夜、怖くて怖くて眠れなかった。

自分は何と闘っているのだろう?

ずっと考えていた。
初日を迎え、二日目、三日目と公演は千秋楽に向かってゆく。

最後のシーンが終わり、舞台上は暗転になり客電が付いて、お客さんたちが劇場を後にする訳だが、お客さん達は中々劇場から外に出てこなかった。こんな事はハンバーグ創ってから初めてだった。

今回の作品、カーテンコールはしなかった。何故ならば、これは芝居ですよ。彼らたちが素晴らしい表現を魅せてくれました。どうか拍手を!なんて思えなかったからだ。でも、客電が付いて終演のアナウンスが流れ、少しすると客席では拍手が鳴っていた。

お客様をお見送りする時に、お客さん達の表情を見た。
煩悩の日々の答えが、お客さん達の表情にあった。
そして出演者たちの表情にも同じことを感じた。



主宰としての座組みを統率する反省点、演出家としての現場での反省点など、今後の成長に繋がる糧を沢山発見した。

そして、これほどにも仲間達の存在の大きさ、温もりを感じた公演はなかった。
それはハンバーグメンバーは勿論、客演さんの皆さん、スタッフの皆さん、色々と協力してくれた皆さん、小林農産さん、父、母、兄、伊勢の人達、観に来て下さったお客様たち。

ありがとうございました。


千秋楽後、バラシ、打ち上げ、朝までいっしょに過ごした皆、ファミレスで若干の仮眠を取り、そのまま翌日のコンテナでの作業をハンバーグ6人で行い、トラックを返しに行き、2時くらいにファミレスに入って、皆でガッツリ飯を食べ、7時近くまで総括を話し合った。

激しい風と雨の中、店の前で土屋、金重と別れ、俺と正村、相原、石原はタクシーで落下傘してゆくように其々帰路へ。

いつものこと、お疲れ様と掛け合い、メンバーと離れてゆく、こんなにも一人が寂しいと感じる公演の終わりもなかった。

ずっと、このメンバーたちといっしょに劇場公演をやってゆきたい。
現実が少し五月蠅いけれど、そんなことに負けずに仲間たちと共に明日を夢見ていたい。
それが俺の掌に残った宝者だ。



このブログを読んでくださっている、皆さん、本当にありがとうございます。
どうか、ぼくたちをこれからも暖かい目で見守って下さい。

本当にありがとうございました。




TOKYOハンバーグ 主宰 大西弘記

コメント

  • 2012/04/05 (Thu) 23:50

    「宝者」いい言葉ですね。TOKYOハンバーグは本当に絆の深い劇団だと思います。ますます目が離せないです。

  • 2012/04/06 (Fri) 10:28

    観せていただきました。劇場の外でもお話させていただきましたが、このテーマに向き合い、作品にして世に問うた作者、俳優のかたがたにエールをおくりたいと思います。何一つ解決していない困難な状況のなかで、この問題から逃げないで考え、寄り添っていくことが大切だと思います。被災地、石巻の海岸に立ち、その思いを強くしました。ところで、最後のほうの場面で、こうもとさんがまほさん(長女)に言いかけた言葉はなんですか? アイシテマス? 気になっています。今後の活躍を期待しています。相原さんはほんとにいい役者さんですね。

  • 2012/04/06 (Fri) 12:47
    Re: タイトルなし



    飛梅さま


    いつもご来場ありがとうございます!
    はい、これからも目を離さないで下さいね^^
    本当にありがとうございました。

    • 大西弘記(TOKYOハンバーグ) #-
    • URL
    • 編集
  • 2012/04/06 (Fri) 12:56
    Re: タイトルなし

    猿川さま

    コメントありがとうございます。
    色々と悩んだ結果が今回の公演となり、設立6年目のTOKYOハンバーグの姿だとも思っています。自分も南相馬に行ったときに、言葉に出来ない想いが募りました。それを演劇で表現して何になるんだろうとも思いました。次第に自分は何と闘っているのだろうとも思いました。

    でも、沢山の方に観て頂き、猿川さんと同じように思って頂いた方も沢山いたようで、自分としては書いて良かったと思います。

    甲本が真帆に何を言おうとしたのか?その質問、アンケートの方でも若干ありました。皆さん、告白的な事を想像されたようですが、実は、その後のシーンの夏帆が同級生東風平に言っていた『三姉妹のことを本に書いていいですか?』だったんです。いや、本当に自分の劇作家としての才能の無さに痛感しております。

    相原奈保子は本当に素晴らしい女優だと思います。自分の劇団の俳優を褒めるのも手前味噌なのですが、彼女ほどの女優は正直、昨今の小劇場ではあまりいないと思います。

    ご来場、ありがとうございました。
    これからも金重並びにTOKYOハンバーグを応援して下さい。
    宜しくお願いします。

    • 大西弘記(TOKYOハンバーグ) #-
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